神戸星城高校放火殺人事件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/28 06:18 UTC 版)
神戸星城高校放火殺人事件(こうべせいじょうこうこうほうかさつじんじけん)は、1999年(平成11年)5月に北海道札幌市南区で発生した放火殺人事件[1][2]。
概要
事件の経緯
同年5月9日より神戸星城高等学校の3年生は修学旅行で札幌を訪れ、市内のホテルに宿泊していた[1][2]。修学旅行の最終日である5月14日未明に、女子生徒2人が宿泊していたホテルの一室から出火した[3][1][2]。ホテルの3階と4階に生徒288人と高校教員ら15人が宿泊していた[2][4]。
出火した部屋はオートロックであったため外側からは開けられなくなっており、マスターキーを使用して開けたところ宿泊していた女子生徒2人が重体で倒れていた[1][5]。この女子生徒2人は病院に運ばれたが1人は1時間後に死亡し、もう1人は1週間後に一酸化炭素中毒で死亡した[3][6]。死亡した生徒の他に学校職員、生徒の計28人が負傷[2][7]。
事件の究明
出火した部屋には入り口のドアを塞ぐようにソファが置かれていた[8]。そしてソファの付近でマッチ箱が発見されたため、ソファに引火したことで火災になったと推測された[8][5][9]。このマッチは生徒が持ち込んだものであり、室内には「迷惑をかけて申し訳ありませんでした」などと放火をほのめかすメモが残されていたことから宿泊していた女子生徒による放火と断定された[3][9]。
このホテルはスプリンクラー設備の設置対象面積を超えていた。だが棟が多数あり防火区画という代替措置をとったことで対象外となり、スプリンクラー設備を設置していなかった[7][2]。
1999年(平成11年)8月10日、北海道警察刑事部捜査第一課と札幌南警察署は死亡した女子生徒の1人を殺人と現住建造物等放火の疑いで札幌地検に書類送検した[3][10][9]。現場の状況などや上述のメモの内容から「未必の故意」による殺人と判断した[10][9]。
脚注
- ^ a b c d 「ホテル火災:札幌南署、焼死した生徒の家族や学校から事情聴く」『毎日新聞』毎日新聞社、1999年5月15日。オリジナルの2000年10月11日時点におけるアーカイブ。2025年1月30日閲覧。
- ^ a b c d e f 『読売新聞』1999年5月14日 全国版 東京夕刊 夕一面1頁「修学旅行のホテルが火事 女子高生1人死亡、1人重体/札幌」(読売新聞東京本社)
- ^ a b c d 『朝日年鑑 2000』朝日新聞社、2000年2月1日、160頁。
- ^ “ホテル火災で修学旅行生1人死亡 ~札幌・南区~”. INTERNET ARCHIVE. 2022年10月3日閲覧。
- ^ a b 『読売新聞』1999年5月15日 全国版 東京朝刊 社会31頁「修学旅行の女子高生焼死 出火室内にマッチ散乱/札幌」(読売新聞東京本社)
- ^ 『読売新聞』1999年5月21日 全国版 東京夕刊 夕社会23頁「札幌の修学旅行ホテル火災 重体の女子高生死亡」(読売新聞東京本社)
- ^ a b “災害史 日本・新宮”. INTERNET ARCHIVE. 2022年10月3日閲覧。
- ^ a b 「修学旅行火事:室内にマッチ棒 ドア内側にソファ 放火か」『毎日新聞』毎日新聞社、1999年5月15日。オリジナルの2000年10月11日時点におけるアーカイブ。2025年1月30日閲覧。
- ^ a b c d 『読売新聞』1999年8月10日 全国版 東京朝刊 社会31頁「札幌の修学旅行ホテル火災 死亡女高生の1人を被疑者死亡のまま書類送検」(読売新聞東京本社)
- ^ a b 「ホテル火災:被疑者死亡のまま札幌地検に書類送検」『毎日新聞』毎日新聞社、1999年8月10日。オリジナルの2001年1月23日時点におけるアーカイブ。2025年1月30日閲覧。
外部リンク
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