硫酸ピッチの処理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 14:33 UTC 版)
硫酸ピッチの処理については、中和作業、高性能炉での焼却など手間が掛かるものであり、ドラム缶1本あたり十万円以上とも言われている。不法投棄に多い長期間放置された硫酸ピッチは流動性を失っていることもあり処理をさらに困難にさせる。硫酸ピッチは特殊な廃棄物で、工業分野(石油精製関連)などを除くと一定量の硫酸ピッチを生成するのは軽油の密造過程くらいとなる。密造の発覚を防ぐために、軽油の密造工場で発生する硫酸ピッチは、全量不法投棄されるものと考えて良い。 不法投棄された硫酸ピッチの処理は、製造または廃棄した業者に処分をさせるのが適当であるが、ほとんどの場合、こういった不法業者は行方をくらましているか、仮に見つけたとしても放置される場合が多く、結局のところ、行政による後片付け、すなわち「行政代執行」により撤去・処分が行われている。これらの費用はもちろん税金で行われている。もちろん行政側は、後からこの費用を関係者に請求はするが、支払われる場合はほとんどない。皮肉にも脱税対策として加えた物質を除去することにより脱税に成功した者が排出した廃棄物を、正規納税者が支払った税金をかけて処分しているのが実情である。
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