石綿(アスベスト)との関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/07 16:35 UTC 版)
「バーミキュライト」の記事における「石綿(アスベスト)との関係」の解説
バーミキュライトの原料の蛭石には、その産地によっては鉱脈が近いこともあり、石綿(アスベスト)が含まれている可能性がある。特にアメリカ合衆国モンタナ州リビー鉱山産の原石には、毒性の高い角閃石系の石綿が含まれ、鉱山労働者や周辺住民に多くの健康被害をもたらしている(2009年6月17日にリビー地区に対して「衛生に関する緊急事態」が宣言され、環境対策や肺癌・中皮腫患者への医療支援が進められている。アスベスト問題でアメリカ合衆国連邦政府が緊急事態を宣言したのは、初めてのことである)。 しかし日本においては産地表示の義務は無く、エックス線回折装置だけを使用するJIS法による検査は精度が低いため、過去にJIS法により石綿含有無しと判定されたバーミキュライトが、国際的に採用されている偏光顕微鏡、分析電子顕微鏡を利用した検査により、リビー鉱山産バーミキュライトの混入が判明する例が国内外で報告されている。これは日本産業規格(JIS)の検査方法に、0.5%未満の含有率のアスベスト繊維を見逃すことがある欠陥によるもので、国際標準化機構(ISO)のアスベスト専門機構を始め、アスベスト専門家から批判されており、見直しを求める声が上がっている。 これらの問題に対し厚生労働省は、2009年11月に吹き付け石綿中にリビー産バーミキュライトが発見されたことを受け、リビー産バーミキュライトに含まれていた角閃石系繊維であるウィンチャイト、リヒテライトの二種類を、国内で規制されていた6種の石綿類と同等に扱うよう、各団体に通達を行っている。経済産業省は国際基準に合わせるのが望ましいとしており、見直しも検討する方針を示している。[リンク切れ]
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