石寺楽市
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/22 05:18 UTC 版)
現在の近江八幡市安土町石寺に、石寺楽市が開かれていた。楽市とは、非課税等を通じて自由な売買を可能にした市のことである。石寺楽市は日本国内での文献上の初見で城下町に築かれたとされている。この地域は下御用屋敷、犬の馬場、馬場道、講口といった、城下町をうかがわせる地名が伝えられている。 これに対して『日本城郭大系』では、近江八幡市安土町石寺以外に、もう1カ所、楽市があったのではないかと指摘している。この石寺の地域には多くの武家屋敷もあり、ここに楽市も混在していたとすれば、規模が小さいとしている。また石寺楽市の古文献には「保内町」という記載が見受けられ、石寺にはない。石寺の隣になる近江八幡市安土町東老蘇には「保内町」という地名が伝わる場所があり、この周辺には3千軒も家が建ち並んでいたと伝承されている。これらのことにより、当初石寺に築かれていた楽市は、後に東老蘇にも新市として増設されたのではないかと指摘している。 この石寺楽市は、近隣にある安土城の楽市にも影響を与えることになる。 この石寺には楽市以外にも犬追物馬上跡があり、ここで佐々木流馬術を伝授していたと思われている。また犬追物絵図が現存しており、本丸の屋形二階に飾られていた土佐光茂が描いた障壁画の写しであるといわれている。
※この「石寺楽市」の解説は、「観音寺城」の解説の一部です。
「石寺楽市」を含む「観音寺城」の記事については、「観音寺城」の概要を参照ください。
- 石寺楽市のページへのリンク