矢印記法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/06 04:53 UTC 版)
函数 f の定義域 X と終域 Y を明示する目的では、矢印記法 f : X → Y {\displaystyle f\colon X\to Y} や X → f Y {\displaystyle X{\stackrel {f}{{}\to {}}}Y} (「f は X から Y への函数」「f は X の元を Y の元に写す」)が用いられる。これに重ねて、元の間の関係を示すため「f が x を f (x) に写す」ことを意味する x ↦ f (x) をしばしば書き加える。 例えば、積の定義された集合 X 上で各元を平方する函数 sqr を紛れなく定義するには sqr : X → X x ↦ x ⋅ x , {\displaystyle {\begin{aligned}\operatorname {sqr} \colon X&\to X\\x&\mapsto x\cdot x,\end{aligned}}} のように書けばよい。元の対応は x ↦ x2 と書いてもよい。 しばしば函数記号や定義域および終域については省略される。そのような記法は、函数の任意の引数における値だけが等式で与えられている状況がよくあるので、その際に特別な函数記号を用意しなくてよいため有用である。たとえば、二変数の函数 f : X × X → Y ; ( x , t ) ↦ f ( x , t ) {\displaystyle f\colon X\times X\to Y;\;(x,t)\mapsto f(x,t)} が与えられていて、第二引数を値 t0 に固定して得られる偏函数(英語版) X → Y {\displaystyle X\to Y} に言及したいとき、この函数に新たに名前を付けなくても、 x ↦ f ( x , t 0 ) {\displaystyle x\mapsto f(x,t_{0})} という元の対応を表す矢印記法を用いれば扱うことができる。
※この「矢印記法」の解説は、「関数 (数学)」の解説の一部です。
「矢印記法」を含む「関数 (数学)」の記事については、「関数 (数学)」の概要を参照ください。
- 矢印記法のページへのリンク