真名本・仮名本の比較
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 05:25 UTC 版)
真名本と仮名本の性質の違いとして、真名本は仏教的価値観の投影や東国の地域性を強く反映しているという指摘がある。例えば真名本は箱根権現との密接な関わりが指摘される。その他仮名本は劇的展開に力点をおいているという指摘等がある。 仇討ち後の曽我兄弟の位置づけも大きく異なる。真名本曽我物語に「富士の郡の御霊神とならざらむ」とあるように、真名本の場合曽我兄弟は富士山麓の地で没し御霊神となることを自ら望む構成となっており、実際に仇討ち後に富士浅間大菩薩と一体化している描写が見られる。 一方、仮名本では御霊化は説かれていないことも指摘される。仮名本の場合曽我兄弟は霊神とならず亡霊・怨霊としての描き方となっており、真名本と仮名本では仇討ち後の扱いに明確な差異がある。
※この「真名本・仮名本の比較」の解説は、「曽我物語」の解説の一部です。
「真名本・仮名本の比較」を含む「曽我物語」の記事については、「曽我物語」の概要を参照ください。
- 真名本・仮名本の比較のページへのリンク