直線形一酸化物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/02/13 04:53 UTC 版)
オキソカーボンのほかのグループに直線形炭素一酸化物 (CnO) がある。その中で純粋な状態で常温で安定なものは一酸化炭素 (CO) のみであると考えられている。直線形炭素二酸化物を極低温マトリックス中で光分解するとCOを失い、C2OやC4OやC6Oなどの炭素原子を偶数個含んだ一酸化物が微量得られる。n = 9以上のものはアルゴン中でC3O2を放電することで得られる。CO、C2O、C3Oは星間物質中に見つかった。 nが偶数のとき分子は三重項状態(クムレンのような)にあると考えられている。すなわち、鎖を構成する原子同士は二重結合によって繋がり、先頭の原子のみ空軌道を持つような構造を持つ。このときの構造式は:C=C=O、:C=C=C=C=O、一般に:(C=)nと表される。nが奇数のとき、三重項構造は一重項状態(アセチレンのような)と共鳴していると考えられている。このとき炭素は負に帯電し酸素は正に帯電しているので、分子全体が極性を持つ。その構造式は-C≡C-C≡O+、-C≡C-C≡C-C≡O+、一般に-(C≡C-)n/2C≡O+と表されると考えられる。一酸化炭素はこのパターンに当てはまり、本来の構造に最も近い構造式は-C≡O+である。
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