白の女王
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/09 16:57 UTC 版)
「鏡の国のアリスのキャラクター」の記事における「白の女王」の解説
チェスの駒である白の女王(クイーン)をもとにしたキャラクター。第1章で、鏡の国に入り込んだ直後のアリスが目にする一群のチェスの駒のなかのひとつとして登場する。この際アリスは泣き騒いでいた彼女の娘・リリー(白の歩のひとつ)のもとまで彼女を持ち運んでやるが、このときはアリスの姿は彼女たちには見えず非常に驚かせることになる。 人間並みの大きさになって再登場する第5章では、身だしなみを自分で整えることができずアリスに手伝ってもらい、その後自分が時間を逆向きに生きているのだと説明する。彼女がもっともよく記憶しているのは「再来週に起こること」であり、ピンを指で指した痛みは実際に指す前に彼女の身に起こる。しかしアリスとともに小川を飛び越えると年老いたヒツジの姿に変化していき、周囲は雑貨屋に変わる。第9章では女王となったアリスの傍に赤の女王とともに不意に現われ、アリスへの質問攻めの一端を担いアリスをいらだたせることになる。 前述の「舞台のアリス」の中で、キャロルは白の女王を「気の優しい、愚かで、太っていて、顔色の悪い人物」「乳飲み子のように無力で、白痴のようにのろまで、間抜けで、おたおたしているが、しかし白痴というわけではない」というイメージで捉えていたことを記している。同記事の中ではキャロルはまた、この白の女王と、ウィルキー・コリンズの『ノー・ネーム』という小説に登場するラッグ婦人という人物との相似に注意を促している。
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