白いカラスの実在
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/15 14:42 UTC 版)
「ヘンペルのカラス」の記事における「白いカラスの実在」の解説
余談であるが、「全てのカラスは黒い」という命題は反証されている。というのも、アルビノもしくは白変種のカラス、すなわち「黒くない」カラスの実在が観測されているからである。また、東南アジアに生息するカラスの多くは、腹が白い、全体に灰色であるなど、黒一色でない。 このように黒くないカラスが1羽でも見つかれば全称命題である「全てのカラスは黒い」は誤りであると証明することができる。例えば「ヘンペルのカラス」の方法に従ってこの命題の真偽を確かめる場合、白い鳩や白鳥など、世界中のあらゆる「黒くないもの」をしらみつぶしに調べていけば、いつか「黒くない」アルビノのカラスに行き当たるので、命題が偽であることが証明される。「全てのカラスは黒い」という仮定が誤りであることと、その対偶「黒くないものはカラスでない」もまた誤りであることは同値である。 こうした事実は、科学の分野における命題には、実験や観察といった経験によって誤りであることが証明される可能性(反証可能性)があることを示している。
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