異所性心移植
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/23 20:21 UTC 版)
異所性心移植(Heterotopic heart transplantation)は、全心移植症例の1~2%以下で行われている。この方法ではレシピエントの心臓は摘出されない。ドナー心は右前胸郭部に置かれて、循環が並行して行われるように吻合する。まずレシピエントとドナーの心房、続いて大動脈が吻合される。二つの肺動脈間を導管で接続し、両方の右室からの血流がレシピエントの肺動脈に血流を送るようにする。同様にレシピエントとドナーの左室はレシピエントの大動脈に血流を送る。高い肺動脈圧に対抗して血液を駆出することに順応したレシピエントの右室は右心拍出量の多くを担当し、一方健康なドナーの左室は左室拍出量に大きく貢献する。 異所性移植が優れているのは以下の様なケースである。 重症肺高血圧のレシピエント ドナーとレシピエントの体格比が小さい ドナー心の虚血時間が長い 異所性移植の欠点は以下の通りである。 手術死亡率が高い レシピエントの不全心に対して薬物治療を続けなければならない レシピエント心が血栓の原因になる ドナー心を胸腔に入れることで呼吸機能が障害される
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