生態系に及ぼした影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/15 04:07 UTC 版)
「アフリカマイマイ」の記事における「生態系に及ぼした影響」の解説
広汎な食性を有し、強靭な生命力、無類の繁殖力を誇る本種は、侵入先の生態系に壊滅的な影響を与える。とくに大陸と隔絶されている海洋島の生態系に対しては、天敵に対して無防備な固有種植物群を絶滅に追い込むまで、根こそぎ食い荒らしてゆく。 旺盛な食欲でエサを横取りするという一次被害はもとより、それ以上に本種が海洋島の陸産貝類固有種に与えた二次被害は計り知れない。主として太平洋の海洋島においては、本種を駆除するために肉食性のヤマヒタチオビ Euglandina rosea (Ferussac, 1821) が導入された。 しかし、いずれの島においてもヤマヒタチオビは本種に見向きもせず、捕食しやすい種を狙ったので、各島における陸産巻貝固有種は危機的なまでにその数を減らし、特にハワイ諸島やタヒチにおいてはかなりの数の種が絶滅した。 日本もその例に漏れず、1960年代にヤマヒタチオビを導入した小笠原諸島父島において、陸産貝類固有種は1属を除いて絶滅した。残った小笠原固有種カタマイマイ属の命脈も、ニューギニアヤリガタリクウズムシの侵入を受け、風前の灯火と化している。安易な生物の人為移入が環境にいかなる負荷をかける結果になるかを、如実に示す実例となっている。
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