アマヅラとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > アマヅラの意味・解説 

アマヅラ

(甘葛 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/16 08:16 UTC 版)

甘葛の材料となる根。東北歴史博物館にて

アマヅラ(甘葛)とは、甘味料のひとつである。砂糖が貴重な時代には水飴と並んで重宝された。

一般的にはブドウ科のツル性植物(ツタ(蔦)など)のことを指しているといわれる。一方で、アマチャヅル(夏蔦:ナツヅタ)のことを指すという説もあり、どの植物かは明かではない。

歴史

縄文時代貝塚の中から出土されており、この頃から甘味料として利用されたと思われる。安土桃山時代になり砂糖の輸入が活発になるとアマヅラの需要はほぼなくなり、さらに、江戸時代に砂糖の大量供給が実現すると全国的にアマヅラを作るところは少なくなった。

清少納言は、『枕草子』でかき氷のうえにアマヅラをかけて食べる描写を書いている[1][2]

芥川龍之介は、『芋粥』で「芋粥とは山の芋を中に切込んで、それを甘葛の汁で煮た、粥の事を云ふ」と書いている。

造り方(ツタの場合)

  1. ツタを伐採し、さらに30センチ間隔に切り取る。
  2. 切り取ったツタの一方に口を当てて息を吹き込み、中の樹液を採取する。
  3. 採取した樹液を煮詰めて水分を飛ばし、粘りのあるシロップ状にしたら出来上がりである。

関連書

  • 伊藤汎監修『砂糖の文化誌 -日本人と砂糖』 八坂書房 2008 ISBN 9784896949223

脚注

  1. ^ 第四十二段「あてなるもの(上品なもの、よいもの)」の段に「削り氷(けずりひ)にあまづら入れて、新しき金鋺(かなまり)に入れたる…」という。削り氷=刃物で削った氷、金鋺=金属製の器。
  2. ^ 「あてなる」あまづら、幻の味 植物から再現”. 日本経済新聞 (2020年9月22日). 2020年12月29日閲覧。

外部リンク



このページでは「ウィキペディア」からアマヅラを検索した結果を表示しています。
Weblioに収録されているすべての辞書からアマヅラを検索する場合は、下記のリンクをクリックしてください。
 全ての辞書からアマヅラ を検索

英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「アマヅラ」の関連用語

アマヅラのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



アマヅラのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのアマヅラ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS