現在の診断基準に至るまで
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/06/01 06:48 UTC 版)
「ゴーハム病」の記事における「現在の診断基準に至るまで」の解説
Heffezらの8項目からなるゴーハム病診断基準では、「6.臓器に病変がないこと」とされているが、内臓病変を合併している症例報告が多数あり、現在の認識とは異なっている。ゴーハム病と類似する疾患にリンパ管腫症がある。リンパ管腫症(generalized lymphatic anomaly)は全身臓器にリンパ管組織が増殖する希少性難治性疾患であり、症状は浸潤臓器により様々であるが、骨溶解や乳び胸水も引き起こす。そのため、臨床的にはゴーハム病とリンパ管腫症が明確に区別できないことがある。平成24,25年度の厚生労働省難治性疾患克服研究事業の「リンパ管腫症の全国症例数把握および診断・治療法の開発に関する研究班」において、ゴーハム病の診断基準が作成されたが、そこでは、ゴーハム病とリンパ管腫症の特徴が重複し、明確に区別することが困難であったという理由で、敢えて両者を区別しない「リンパ管腫症・ゴーハム病診断基準」が作成された。ただし、ゴーハム病の骨病変は骨皮質から溶解するのに対して、リンパ管腫症に伴う溶骨性病変は髄質を中心に骨溶解するのが特徴であり、その点においてゴーハム病とリンパ管腫症を区別することが可能であると考えられる。
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