玄武-3とは? わかりやすく解説

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玄武-3

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/04 07:32 UTC 版)

玄武-3
玄武-3の発射台付き車両
種類 対地巡航ミサイル (LACM)
製造国 韓国
設計 国防科学研究所
製造 LIGネクスワン
性能諸元
ミサイル直径 0.53 - 0.60 m[1]
ミサイル全長 6.2 m[1]
ミサイル重量 約1,360 kg[1]
弾頭
射程
  • A型: 500 km[1][2]
  • B型: 1,000 km[1][2]
  • C型: 1,500 km[1][2]
  • 推進方式 固体燃料ロケットブースタ[1]
    ターボファン・サステナ[注 1]
    誘導方式 INSGPSTERCOM英語版IRH[2]
    飛翔速度 マッハ1.2[2]
    テンプレートを表示

    玄武-3朝鮮語: 현무-3: Hyunmoo-3)は、大韓民国で開発された対地巡航ミサイル(LACM)[1][2]

    来歴

    韓国は、1965年にアメリカ合衆国製の地対空ミサイルであるナイキ・ハーキュリーズを導入したのち、これを基にした戦術弾道ミサイルの開発を進め、1987年には玄武-1(射程180 km)を配備、更に長射程の玄武-2の開発も進めていた[2]

    ただし韓国における弾道ミサイルの開発は、1979年にアメリカとの間で作成された了解覚書である「ミサイル指針」による制限を受けており、当初は射程は180 km、弾頭重量は500 kgが上限とされていた[2]。その後、4回にわたる改正によって段階的に制限が緩和され、2021年5月には指針が完全に廃棄されるに至ったものの、2000年代の時点では射程800 kmという制限が課されており、より長射程の地対地ミサイルを開発する場合は、弾道ミサイルではなく巡航ミサイルとする必要があった[2]

    これらの情勢を受けて、玄武シリーズとしては異例の巡航ミサイルとして開発されたのが玄武-3である[1][2]。開発は1990年代より着手され、車両発射型の玄武-3Aは2006年、水上艦発射型の玄武-3Bは2009年[2][注 2]潜水艦発射型の玄武-3Cは2012年に配備された[1]

    設計

    玄武-3はトマホークと類似した設計を採用しており、長距離を飛行して多様な誘導・探索方式によって、目標への精密打撃を可能とする[2]ミサイルの誘導方式としては、中間航程では慣性誘導(INS)衛星航法(GPS)、そして地形照合・デジタル画像照合(TERCOM/DSMAC)誘導英語版を用いるほか、終末航程では赤外線誘導も複合使用される[2]平均誤差半径(CEP)は、玄武-3A/Bでは約3 m、玄武-3Cでは2 m未満であるといわれる[1]

    韓国が仮想敵国とする朝鮮民主主義人民共和国は、短い縦深内に密集した防空網を整備していることもあり、玄武-3では、射程距離はトマホークより短くされる一方で、飛行速度はマッハ1.2と高速化されている[2]。推進装置としてはハンファ・エアロスペース英語版社のターボファンエンジンが搭載される[2][注 1]

    なお国防科学研究所は、玄武-3とほぼ並行して、水上艦発射型の海星-2、潜水艦発射型の海星-3といった海軍向けの巡航ミサイルを開発していた[2]。海星-2は玄武-3B、海星-3は玄武-3Cと、それぞれ射程距離と弾頭重量、発射方式において類似している[2]。ただし海星シリーズは艦対艦ミサイルの延長線上で開発されていることもあり、両者には主に速度や巡航・誘導・探索方式において差異がある[2]。玄武-3シリーズは内陸部、海星-2/3は沿岸部の目標の攻撃に適した特性を有しており、任務によって使い分けられるものと考えられている[2]

    脚注

    注釈

    1. ^ a b ターボジェットエンジンとする資料もある[1]
    2. ^ 玄武-3Bは車両発射型としても運用されたとする資料もある[1]

    出典

    参考文献



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