海星-2
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/02 06:03 UTC 版)
種類 | 巡航ミサイル |
---|---|
製造国 | ![]() |
設計 | 国防科学研究所 |
性能諸元 | |
ミサイル直径 | 0.45 m[1] |
ミサイル全長 | 5.5 m[1] |
ミサイル重量 | 1,400 kg以上[1] |
弾頭 | 500 kg半徹甲榴弾 (SAP)[1][2] |
射程 | 1,000 km[2] |
推進方式 | 固体燃料ロケット・ブースタ[1] +ターボファン・サステナ[注 1] |
誘導方式 | 中途: INS+GPS 終末: ARH[1] |
飛翔速度 | マッハ1以下[2][注 2] |
海星-2(朝鮮語: 해성-2、英: Haeseong-II)は、大韓民国で開発された巡航ミサイル[1][2]。
来歴
1980年代、韓国海軍はハープーン・ブロック1Cの装備化を推進するとともに、これと同等の艦対艦ミサイル(SSM)の国内開発計画に着手したが、最初の成果である海星-1が装備化されたのは2006年のことであった[2]。
一方、2000年代にはハープーンの次世代型であるブロックIIが登場していたことから、海軍当局は、これに類似した国産ミサイルの開発も要望した[2]。これによって開発されたのが海星-2であり、2010年に配備された[2]。
設計
国防科学研究所は、海星-2とほぼ並行して、やはり水上艦発射型の巡航ミサイルである玄武-3Bを開発しており、両者の射程距離と弾頭重量は類似している[2]。ただし両者には、主に速度や巡航・誘導・探索方式において差異がある[2]。
上記の経緯より海星-2はハープーン・ブロックIIの延長線上で構想されたことから、海面上数メートルでのシースキミングが可能で、また終末誘導はアクティブ・レーダー・ホーミング(ARH)方式としている[2]。一方、玄武-3Bはトマホークの延長線上で構想されたことから、誘導は地形照合・デジタル画像照合(TERCOM/DSMAC)誘導に赤外線誘導を併用する方式であり、複雑な地形を縫っての飛翔にも対応できるほか、気象・電子妨害にも強いという特性がある一方、巡航高度は地上数十メートル程度であり、海星-2のようなシースキミングの能力は持たない[2]。このことから、玄武-3Bは内陸部、海星-2は沿岸部の目標の攻撃に用いられるものと推測されている[2]。
巡航速度については、玄武-3Bはマッハ1.2の超音速で飛翔するのに対し、海星-2はマッハ1以下に留まるとされる[注 2]。なお海星-2の推進装置としてはハンファ・エアロスペース社のSS-760Kターボファンエンジンが搭載されるが[注 1]、これはロシアのKh-35の技術を基にしたといわれている[2]。
発射機としては、海星-2・玄武-3Bのいずれも、国産のK-VLSを使用する[2]。
採用国と搭載艦艇
脚注
注釈
出典
参考文献
- 李相會「韓国 (各国の艦対地攻撃能力)」『世界の艦船』第1049号、海人社、96-99頁、2025年11月。
- Missile Defense Project (2024-04-23) [2017], “Haeseong II”, Missile Threat (Center for Strategic and International Studies)
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