熱揺らぎ問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/23 13:32 UTC 版)
一般に、デジタル記録で高密度化を達成するには、一つのビットの大きさを小さくしなければならない。しかしながら、水平磁気記録方式でビットを小さく(= 磁区を小さく)すると、その磁区内で発生する反磁界(英語版)の影響が無視できなくなる、という問題がある。反磁界とは、磁区の内部に出来る磁界のことであり、磁化を弱める減磁力として作用する。反磁界は磁性体が短くなる程(N,Sの磁極が近づくほど)大きくなるため、水平記録方式では高密度化するほど減磁力が大きくなる。 減磁力の増加は、磁力の減衰を引き起こし、最悪の場合、データが経時により消失してしまう。これが高密度化の障害となり、所謂「熱揺らぎ問題」として知られている。 これを克服する記録方式として、垂直磁気記録方式があり、ハードディスクでは2006年を境に水平から垂直方式への移行が進んだ。
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