熱変性・低温変性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 23:11 UTC 版)
タンパク質は高温になると変性する。これは熱変性と呼ばれる。加熱するとタンパク質の一次構造が変化することはほとんど無いが、二次以上の高次構造は崩れやすい。約60℃以上になると、周囲に軽く結びつき水和状態をつくる水分子が振動し高次結合部分が解け、細長い状態になる。さらに内部に封じられた疎水部分が露出し、他のポリペプチドの露出部分と引き合い、全体に詰まった状態になる。通常は透明で液状の卵白が、加熱されると白い固形に変化するのはこの原理からである。 また、低温でも変性を起こすが、通常のタンパク質が低温変性を起こす温度は0 ℃以下である。タンパク質の安定性は変性自由エネルギー Δ G d {\displaystyle \Delta G_{\rm {d}}} で決まる。変性熱容量は室温付近でほぼ一定値であるため、 Δ G d {\displaystyle \Delta G_{\rm {d}}} の温度依存性は上に凸の曲線になる。この曲線と Δ G d = 0 {\displaystyle \Delta G_{\rm {d}}=0} の交点が低温変性と熱変性の温度である。
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