潜在型自家不和合性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/11 21:08 UTC 版)
「自家不和合性 (植物)」の記事における「潜在型自家不和合性」の解説
潜在型自家不和合性(cryptic self-incompatibility, CSI)は、限られた数の分類群(たとえばナデシコ科Silene vulgarisのCSI現象)にしかない。このメカニズムでは、同じ柱頭に付着した外部花粉と自己花粉が同時に存在することにより、自己花粉によるものより多くの種子が外部花粉の受精によって得られる。しかしながら、「完全な」あるいは「絶対的な」自家不和合性と比較すると、CSIにおいては、競合する外部花粉がない場合は自家受粉が行われ、その後の自家受精によって種子が形成される。このように外部花粉がない場合にも生殖は確保される。少なくともある種の植物では、CSIは花粉管伸長の際に働き、外部花粉の花粉管伸長を自己花粉のものより速める。CSIの分子生物学的メカニズムは不詳である。
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