滑らかさと軌道同値性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/11/08 14:03 UTC 版)
フロー ψ {\displaystyle \psi } および φ {\displaystyle \varphi } が微分方程式から生じる場合は、さらなる同値性の基準が研究されている。 微分方程式 x ′ = f ( x ) {\displaystyle x'=f(x)} および y ′ = g ( y ) {\displaystyle y'=g(y)} で定義される二つの力学系が「滑らかに同値」(smoothly equivalent)であるとは、ある微分同相写像 h : X → Y {\displaystyle h\colon X\to Y} が存在して、 f ( x ) = M − 1 ( x ) g ( h ( x ) ) where M ( x ) = d h ( x ) d x {\displaystyle f(x)=M^{-1}(x)g(h(x))\quad {\text{where}}\quad M(x)={\frac {\mathrm {d} h(x)}{\mathrm {d} x}}} が成立することを言う。この場合、力学系は互いに座標変換 y = h ( x ) {\displaystyle y=h(x)} によって変換される。 同一の状態空間において x ′ = f ( x ) {\displaystyle x'=f(x)} および x ′ = g ( x ) {\displaystyle x'=g(x)} で定義される二つの力学系が「軌道同値」(orbitally equivalent)であるとは、ある正の函数 μ : X → R {\displaystyle \mu \colon X\to \mathbb {R} } が存在して g ( x ) = μ ( x ) f ( x ) {\displaystyle g(x)=\mu (x)f(x)} が成立することを言う。軌道同値な系は、時間のパラメータ設定においてのみ差異がある。 滑らかに同値あるいは軌道同値な系は、位相同値でもある。しかしこの逆は成り立たない。例えば、 x ′ = A x {\displaystyle x'=Ax} という形状の二次元の線型系を考える。行列 A {\displaystyle A} が二つの正の実固有値を持つなら、系は不安定なノードを持つ。二つの実部が正の複素固有値を持つなら、系は不安定なフォーカス(あるいはスパイラル)を持つ。ノードとフォーカスは位相同値であるが、滑らかに同値あるいは軌道同値ではない。
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