渡海船
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船上に造られた屋形には扉が無い。屋形に人が入ると、出入り口に板が嵌め込まれ外から釘が打たれ固定されるためである。その屋形の四方に4つの鳥居が建っている。これは「発心門」「修行門」「菩薩門」「涅槃門」の死出の四門を表しているとされる。 渡海は北風が吹き出す旧暦の11月に行われた。渡海船は伴船に沖に曳航され、綱切島近くで綱を切られた後、朽ちたり大波によって沈むまで漂流する。もちろん、船の沈没前に渡海者が餓死・衰弱死した事例も多かったであろう。しかし、船が沈むさまを見た人も、渡海者たちの行く末を記した記録も存在しない。
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渡海船
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/16 14:40 UTC 版)
補陀落渡海に使う渡海船についての史料は少ないが、那智参詣曼荼羅には補陀落渡海が描かれており、補陀洛山寺には復元された渡海船が置かれている。これによると、一般的な貨客のための渡海船とは異なり、和船の上に入母屋造りの箱が置かれ、その四方に4つの鳥居が建てられている。鳥居の代わりに門を模したものを付加する場合もあり、この場合は門のそれぞれに「発心門」「修行門」「菩提門」「涅槃門」との名称がある。 箱の中には30日分の食物や水とともに行者が乗り込むが、この箱は船室とは異なり、行者が中へ入ると入り口は板などで塞がれ、箱が壊れない限り出入りはできない。図には帆が描かれているが、一般には艪、櫂なども含めて航行のための道具は備えていない。これは、生還することなく遺骸となっても戻ってこないことが浄土へ至った証との思想に基づいている。沖合まで伴走船が曳航した後、人々が海流に流されて漂流していく船を見送る。
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