減衰防止装置
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/24 16:19 UTC 版)
振り子の構造を工夫しても、振り子の振幅の減衰は避けることができない。科学館の展示などで、長時間にわたり振り子を動作させるためには、数時間おきに振り直す必要がある。この問題を回避するため、主に電磁石による減衰防止装置が設置されている場合がある。 レオン・フーコーは、1855年に、フランスで初めて開催されたパリ万国博覧会の産業館において、フーコーの振り子の実験装置を用意した。ここで使用された振り子は、減衰に対し、電磁石によるブースト装置を加えたものであった。 カリフォルニア科学アカデミーのフーコーの振り子には、弦の上端側(支持装置側)に電磁石を使った減衰防止装置が組み込まれている。これは、振り子の錘が振り下がり支点の真下に達するタイミング、すなわち床面に対して弦が垂直の状態になる直前のタイミングで電磁石を通電し、弦を微小量だけ上側に引っ張る。弦の上端側の片が電磁石に触れると通電が切れて、錘がわずかに落下することで加振する。 乃村工藝社やソニーは、振り子の支点の真下の床面内に電磁石を設置する特許を出願している。これは床面内に振り子の錘の検出器があり、錘の通過に合わせて電磁石によって錘を吸引することで、振り子を加振する。
※この「減衰防止装置」の解説は、「フーコーの振り子」の解説の一部です。
「減衰防止装置」を含む「フーコーの振り子」の記事については、「フーコーの振り子」の概要を参照ください。
- 減衰防止装置のページへのリンク