渋滞による遅延問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/11 07:51 UTC 版)
利用者数は順調に増加したが当初から予想されているにもかかわらず置き去りにされ、解決の見通しが立っていなかった問題点があった。経路上にある首都高速道路6号向島線の渋滞である。当時の首都高速道路は、中央環状線の江北ジャンクションと板橋ジャンクションを結ぶ区間が開通しておらず、都心に向かうところで放射線の3本がまとまってしまうという構造だったため、6号向島線の渋滞はよく知られていた。さらに、この渋滞は、早朝・深夜を除けば、ほぼなくなる時間のない恒常的な渋滞であった。 これに対して、各路線とも上り便の所要時間の設定を20分から30分程度多く設定するという、渋滞による遅れを見越したダイヤ設定として対応していた が、それでも予定時刻より遅れることは多く、利用者も30分程度の遅れを見越して乗車する状態であった。「みと号」などでは、通常は途中休憩無しのところ、大幅な遅延が予想される場合は臨時に守谷サービスエリアで休憩するケースもみられるようになった。 利用者もこの渋滞を問題視しており、つくば市内で発行されている新聞『筑波の友』 が「つくば号」利用者に対して行われたアンケート結果によれば、快適性に関する項目においては「不快」と「きわめて不快」を合わせて48パーセント程度に上っており、その理由として挙げられていた回答のうち60パーセントが「渋滞」であった。さらに、渋滞の心配のない下り便のみ常磐高速バスを利用して、上り方面では渋滞の心配のない鉄道利用とする利用形態が増加することになった。「つくば号」の1988年10月における乗車率を例にすると、下り便はほぼ100パーセントであるにもかかわらず、上り便については50パーセントを割り込む状態となっていた。
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