治療・転帰
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/01 01:31 UTC 版)
「レーベル遺伝性視神経症」の記事における「治療・転帰」の解説
治療方法は未確立である。 ビタミン栄養補助食品、コエンザイムQ誘導体のイデベノンやEPI-743が一定の患者に有効であったという報告がある。イデベノンの作用機序は酸化的リン酸化複合体1とIIから電子を直接複合体皿へ運んで、呼吸機能保護とミトコンドリア内のエネルギー代謝の改善作用を発揮したり、抗酸化作用により脂質過酸化障害からミトコンドリア内膜を保護すると推定されている。レーベル病の臨床的特徴として、自然回復例の存在があげられる。発症後半年から1年かけてゆっくりと回復したり、中には発症後何年も経って突然劇的に視力が回復する例も報告されている。特に若年発症の11778番変異例は自然回復の報告が多い。 遺伝子治療も試みられている。アデノ随伴ウイルスベクターを用いて、ミトコンドリアDNAの遺伝子配列を基にした人工遺伝子を網膜神経節細胞に導入する方法である。2016年時点では少なくとも変異型ミトコンドリアDNAを導入した培養細胞や動物モデルでは有効性が示され、日本国外では第1相臨床試験が行われ、予備的結果の報告がなされている。5例において硝子体注射による遺伝子治療が行われ、3カ月後の時点で発症早期に注射を受けた2例で有意な視力改善を得たと報告されている。
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