河村文鳳とは? わかりやすく解説

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河村文鳳

読み方かわむら ぶんぽう

江戸後期画家京都生。名は亀、字は駿声(俊声)・別号に馬声・五游・有毛首陽館・竹裏館・白竜堂。岸駒師事し人物山水能くする。また俳諧能くし、上田秋成とも交遊があった。『文画譜』『文鳳山画譜』を残し歌川国芳などの浮世絵師影響与えた女婿が後を継いだ文政4年(1821)歿、43才。

河村文鳳

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/25 14:18 UTC 版)

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河村 文鳳(かわむら ぶんぽう、安永8年(1779年) - 文政4年(1821年))は、江戸時代後期の岸派絵師。名は亀。を駿声、俊声、五游。号に馬声、有毛、首陽館、竹裏館、白竜堂など。山城国(現・京都府)出身。優れた人物画や山水画で知られた。

略歴

岸駒に絵を学び、寛政8年(1797年)の東山新書画展観への出品が確認されており、岸駒の弟子の中でも古参格と考えられる。のちには各派の絵を学んで独自の画風を確立し、歌川国芳[1]歌川国貞渓斎英泉など後代の浮世絵師等にも大きな影響を与えた。俳句にも秀でており上田秋成与謝蕪村等と交遊し、俳画も好んで描いた。生前は有力絵師の一人でだったようで、一時は岸駒に迫るほど人気を得たという。実際『文鳳画譜』『帝都雅景一覧』『文鳳漢画』『文鳳山水遺稿』など、文鳳原画による画譜類が10種類以上出版されているが、なぜか現存作品は極めて少ない。速い運筆による人物画を得意とし、『竹田荘師友画録』にも「人物を画いて、運筆縦横、手に随って立ちどころに成る」とその能画ぶりが記されている。一方山水画では、濃い墨の太い輪郭線を用いる独特の作風を示している。

作品

作品名 技法 形状・員数 寸法(縦x横cm) 所有者 年代 款記・印章 備考
鴨川武戯図巻 紙本淡彩 1巻 大英博物館 1805年(文化2年)頃
紫陽花図 紙本墨画 1面 智源寺(宮津市 1811年(文化8年)頃 款記「文鳳川亀」/「文鳳」白文方印・「馬聲」朱文方印 本堂天井画20面のうちの1つ[2]
武陵桃源図屏風 紙本墨画淡彩 六曲一双 157.0x357.7(各) 静岡県立美術館
花鳥草木人物図押絵貼交屏風 紙本墨画 六曲一双押絵貼 京都国立博物館
花売翁図 紙本淡彩 1幅 118.2x37.7 個人(奈良県立美術館寄託 款記「文鳳」/「馬声」「五游」白文連印 日野資枝[3]
Landscape 絹本墨画 1幅 106.5x35 ボストン美術館

著作

  • 『文鳳画譜』(文化4年(1807年)刊)
  • 『文鳳山水画譜』(文政7年(1824年)刊、頼山陽讃)

脚注

  1. ^ 国芳の名作の一つ「高祖御一代略圖 佐州塚原雪中」(大英博物館など蔵)は、文鳳の絵本『文鳳山水遺稿』の雪中の漁村図(岡崎市立中央図書館蔵本の画像)を利用している(岩切由里子編著 『芳年 月百姿』 東京堂出版、2011年、217頁、ISBN 978-4-490-20702-6)。
  2. ^ 田島達也 「近世後期京都画壇の縮図―宮津市智源寺天井画」『京都文化博物館研究紀要 朱雀』第7集、1994年12月31日、p.18。。
  3. ^ 奈良県立美術館編集・発行 『特別陳列 江戸時代 上方絵師の底ぢから 京都府立総合資料館・敦賀市立博物館大和文華館所蔵作品と館蔵品・寄託品による』 2007年4月14日、pp.10,28。

参考文献

  • 『京都文化博物館開館10周年記念特別展 京(みやこ)の絵師は百花繚乱 「平安人物志」にみる江戸時代の京都画壇』展覧会図録、京都文化博物館、1998年
  • 『美術人名辞典』思文閣
  • 小林忠 大久保純一『浮世絵の鑑賞基礎知識』 至文堂、1994年 ※249頁

関連項目

  • 河村琦鳳 - 娘婿として文鳳の跡を継いだ。


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