水素ガスの場合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 00:08 UTC 版)
水素ガス(H2)の燃焼が最も単純なため(理由は、反応には水素と酸素の2種類の元素のみが関わるため)、まず水素の燃焼機構について記す。 開始反応 H2 + M → H + H + M (水素分子の開裂) O2 + M → O + O + M (酸素分子の開裂) このうち、結合エネルギーから、水素分子の開裂のほうが起こりやすい。 連鎖分岐反応(ラジカルの数が増える反応で、開始反応以外のもの) O2 + H → OH + O H2 + O → OH + H O2 + OH → HO2 + O 置換反応(ラジカルの個数は変わらず、種類が変わるもの) H2 + OH → H2O + H H2 + HO2 → H2O + OH 停止反応(ラジカルの数が減少するもの) H + OH + M → H2O + M H + H + M → H2 + M O + O + M → O2 + M 高等学校までの化学の授業では、水素ガスが燃焼する反応は、単に 2H2 + O2 → 2H2O と習うのであるが、これは反応前と反応後の物質収支を述べたに過ぎず、実際には上記のように複雑な過程を経て最終的には停止反応により反応が終息する。 また、燃焼がいったん開始すると継続して行われ、悪条件により暴走すると爆発(爆燃または爆轟)に至るのは、ラジカルが急速(等比級数的に)に増加する連鎖分岐反応を経るからである。
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