水性沈殿
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/08/27 09:22 UTC 版)
ヒ素イオンを含む水溶液を硫化水素で処理することで、三硫化二ヒ素が形成される。かつては、この反応で三硫化二ヒ素を沈殿させ、定量することでヒ素を分析した。三硫化二ヒ素は、6Mの塩酸中でも沈殿する。三硫化二ヒ素は溶解度が非常に低いため、毒性はない。三硫化二ヒ素は、硫化物イオンを含む水溶液で処理することで、特徴的に溶解する。溶解したヒ素は、三角錐形の三価陰イオン AsS 3 3 − {\displaystyle {\ce {AsS3^3-}}} を形成する。 As 2 S 3 + 6 NaSH ⟶ 2 AsS 3 3 − + 3 H 2 S {\displaystyle {\ce {As2S3\ + 6NaSH -> 2AsS3^{3-}\ + 3H2S}}} 三硫化二ヒ素は、仮想上のチオ亜ヒ酸 As ( SH ) 3 {\displaystyle {{\ce {As(SH)3}}}} の無水物である。多硫化物イオンで処理することで三硫化二ヒ素は溶解し、S-S結合とAs-S結合を含む多種類の物質を生成する。そのうちの1つは S 7 As − S ? {\displaystyle {\ce {S7As-S^{?}}}} であり、これはヒ素原子と結合した環外の硫黄中心を含む環状物質である。三硫化二ヒ素はまた強アルカリ溶液に溶解し、 AsS 3 3 − {\displaystyle {{\ce {AsS3^{3-}}}}} と AsO 3 3 − {\displaystyle {{\ce {AsO3^{3-}}}}} の混合物を生成する。
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