気圧勾配と気象・気候
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2014/02/08 05:49 UTC 版)
圧力勾配は、地球上の主に鉛直方向に存在する。対流圏内においては、高度が上がるごとに約9 Pa/m (90 hPa/km) の割合で気圧が小さくなっていく。一方、これよりはるかに緩やかだが、水平方向にも圧力勾配が存在する。これは日射量の違い、比熱の違いなどに起因するもので、大規模な温度勾配が大気の温度差となり、気圧の差を生み、気圧勾配(圧力勾配)へとつながる。 気圧勾配は気象学における気圧傾度力、つまり風を吹かせる力である。ただし、気圧勾配の大きな鉛直方向の風よりも、気圧勾配の小さな水平方向の方が風は強く感じられる。これは、鉛直方向の気圧勾配は大気の密度成層によって成り立つ標準状態だからである。風というのは、気圧が標準状態から上下した(擾乱が生じた)ところが元の標準状態に戻ろうとして吹くものである。もともと標準状態である鉛直方向の風は、その気圧勾配の大きさの割には、水平方向に比べて相対的に弱い風しか吹かない。 天気図上においては、等圧線の間隔によって水平の気圧勾配を容易に知ることができる。間隔が狭いほど気圧勾配は大きい。
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