歴史に関する注意
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/05/07 22:24 UTC 版)
圏論の始祖の一人であるマクレーンは「圏は函手の研究のために考案されたものではない、それは自然変換を研究するためのものだ」("I didn't invent categories to study functors; I invented them to study natural transformations.") という注意を与えている[要ページ番号]。確かに 群の研究が群準同型を調べることを抜きにしては万全でないのと同じく、圏の研究に函手の研究は不可欠なのであるが、マクレーンの言は函手の研究それ自体に自然変換の研究が無くてはならないものであることから出たものなのである。 マクレーンの注意はホモロジーの公理論の文脈でなされたものであった。いくつかの異なる方法で構成されるホモロジーが互いに一致することが示せる(例えば、単体的複体の場合に、直接に定義されるホモロジー群は、特異ホモロジー群と同型になる)のであるが、ホモロジー群が対象間の射とどのように両立するか、どのようにして二つの同値なホモロジー論が同一のホモロジー群のみならずそれらの群の間に同一の射をも持つかといったようなことは、自然変換の言葉を用いずに表すのは容易なことでない。
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