歪度の高い分布における例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/07 00:21 UTC 版)
歪度の高い分布としてよく知られている例として「富の分布」がある。富裕層の方が少なく、中でも大富豪はさらに少なく、大部分は貧困層に分類される。 歪度を恣意的に変化させられる確率分布として、対数正規分布がよく知られている。正規分布の確率変数 X を Y = exp(X) となる確率変数 Y に変換することで得られる。この確率変数 Y の対数をとると正規分布となるため、このように呼ばれている。 X の平均 μ を0としたとき、Y の中央値は 1 となり、X の標準偏差 σ には依存しない。これは X が線対称の分布であるためで、その中央値も標準偏差によらず常に 0 である。X から Y への変換は単調であり、Y の中央値は exp(0) = 1 となる。 X の標準偏差 σ = 0.2 のとき、Yの分布の歪度はあまり高くない。小数点以下4桁まで求めると次のようになる(計算方法は対数正規分布を参照)。 平均 = 1.0202 最頻値 = 0.9608 中央値は平均から最頻値までの3分の1ほどの位置となる。 X の標準偏差がずっと大きく σ = 5 の場合、Y の分布の歪度は大きくなる。この場合、次のような値となる。 平均 = 7.3891 最頻値 = 0.0183 この場合、ピアソンの経験則は成り立たない。
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