歪対称行列に対する恒等式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/04 15:03 UTC 版)
「平行軸の定理」の記事における「歪対称行列に対する恒等式」の解説
歪対称行列を用いた平行軸の定理の定式化とテンソルによる定式化を比較するためには、以下の恒等式が有用である。 位置ベクトル R = (x, y, z) に関連する歪対称行列を [R] とおくと、慣性行列に現れる積は − [ R ] [ R ] = − [ 0 − z y z 0 − x − y x 0 ] 2 = [ y 2 + z 2 − x y − x z − y x x 2 + z 2 − y z − z x − z y x 2 + y 2 ] {\displaystyle -[R][R]=-{\begin{bmatrix}0&-z&y\\z&0&-x\\-y&x&0\end{bmatrix}}^{2}={\begin{bmatrix}y^{2}+z^{2}&-xy&-xz\\-yx&x^{2}+z^{2}&-yz\\-zx&-zy&x^{2}+y^{2}\end{bmatrix}}} となる。この積は、直積 [R RT] により形成される行列を使用し、次の恒等式を使って計算できる。 − [ R ] 2 = | R | 2 [ E 3 ] − [ R R T ] = [ x 2 + y 2 + z 2 0 0 0 x 2 + y 2 + z 2 0 0 0 x 2 + y 2 + z 2 ] − [ x 2 x y x z y x y 2 y z z x z y z 2 ] {\displaystyle -[R]^{2}=|\mathbf {R} |^{2}[E_{3}]-[\mathbf {R} \mathbf {R} ^{T}]={\begin{bmatrix}x^{2}+y^{2}+z^{2}&0&0\\0&x^{2}+y^{2}+z^{2}&0\\0&0&x^{2}+y^{2}+z^{2}\end{bmatrix}}-{\begin{bmatrix}x^{2}&xy&xz\\yx&y^{2}&yz\\zx&zy&z^{2}\end{bmatrix}}} ここで [E3] は3 × 3単位行列である。 また、 | R | 2 = R ⋅ R = tr [ R R T ] {\displaystyle |\mathbf {R} |^{2}=\mathbf {R} \cdot \mathbf {R} =\operatorname {tr} [\mathbf {R} \mathbf {R} ^{T}]} である。trはトレースであり、直積行列の対角要素の和を表す。
※この「歪対称行列に対する恒等式」の解説は、「平行軸の定理」の解説の一部です。
「歪対称行列に対する恒等式」を含む「平行軸の定理」の記事については、「平行軸の定理」の概要を参照ください。
- 歪対称行列に対する恒等式のページへのリンク