歌集「一握の砂」より
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 11:14 UTC 版)
東海の小島の磯の白砂にわれ泣きぬれて蟹とたはむる 歌集巻頭の歌。 青森県の大間町大間崎にある石川啄木歌碑に彫られており、この歌の原風景は大間崎で、東海の小島は、沖の灯台の島「弁天島」であると説明されている。 砂山の砂に腹這い初恋のいたみを遠くおもひ出づる日 越谷達之助の作曲で、歌曲「初恋」として歌われている いのちなき砂のかなしさよさらさらと握れば指のあひだより落つ 陸前高田(高田松原)歌碑(東北地方太平洋沖地震津波で流失) 頬につたふなみだのごはず一握の砂を示しし人を忘れず 前記歌碑流失後に陸前高田に建立された歌碑 たはむれに母を背負ひてそのあまり軽(かろ)きに泣きて三歩あゆまず はたらけど はたらけど猶わが生活(くらし)楽にならざりぢつと手を見る 友がみなわれよりえらく見ゆる日よ花を買ひ来て妻としたしむ ふるさとの訛なつかし停車場の人ごみの中にそを聴きにゆく 今昔秀歌百撰82,選者:大喜多俊一(元京都市教育委員会)。上野駅に歌碑がある。 かにかくに渋民村は恋しかりおもひでの山おもひでの川 石をもて追はるがごとくふるさとを出でしかなしみ消ゆる時なし やはらかに柳あをめる北上の岸辺目に見ゆ泣けとごとくに 前記の通り、渋民に建立された初の歌碑に刻まれた。 ふるさとの山に向ひて言ふことなしふるさとの山はありがたきかな
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