機関承認の慣例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/09 08:42 UTC 版)
さらに、衆議院においては、議員の所属する会派が機関承認をしていない場合、法案の発議は受理していない。各会派は議院事務局に、会派の承認の無い議員立法を受理しないよう申し入れ、事務局がこれにしたがっているためである。1952年4月24日の保守合同前の自由党の幹事長が党四役の署名がない場合は受理しないことを衆議院議事課長および議案課長宛の手紙で要請したのが前例となって現在まで続いている。 これにより、議員が単純に賛同者を集めただけでは提案できない。法令上の要件を満たしている議案を、事務局が政党執行部の申し入れにしたがって法案を受理しないのは、会派内部の規定による議員への統制(会派の除名など)とは異なり、法令上問題があるとの見解がある。平成5年、「国政における重要問題に関する国民投票法案」が九十二名の賛成者名簿とともに衆議院事務局に提出されたが、機関承認がないことを理由に事務局によって保留され、会期末を迎え不受理に終わった。この件に関する損害賠償請求は、議院の自律権の範囲内であるとして、裁判所の審査権は及ばないとして棄却されている(東京高判平成9年6月18日判時1618号71頁。原審・東京地判平成8年1月9日訟務月報43巻4号1148頁)。
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