機能および疾患への関与
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/10/16 06:25 UTC 版)
「エストロゲン受容体」の記事における「機能および疾患への関与」の解説
エストロゲンは子宮や卵巣、乳腺、前立腺、肺、脳などの形態形成に関与していることが報告されている一方、ノックアウトマウスの解析も行われており、ERは生存および胎生期における生殖器の形成に必ずしも必要ではないことが分かっている。 エストロゲンはがん細胞の増殖を促進する作用を有しており、乳癌や子宮癌の患者の組織においては健常人と比較してERの発現が上昇していることが報告されている。そのため、乳癌の患者では抗エストロゲン療法が行われ、ER拮抗薬であるタモキシフェンやエストロゲンの生合成に関与する酵素であるアロマターゼの阻害薬などが用いられる。また、近年乳癌の治療薬として開発された抗体医薬であるトラスツズマブはHER2に対するヒト化モノクローナル抗体であるが、HER2はMAPキナーゼであるERK1/2を活性化し、ERのリン酸化を引き起こすことによりERのリガンド非依存的な転写を活性化させることが報告されている。
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