標準斜交空間
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/18 06:54 UTC 版)
標準斜交空間は、以下の斜交行列により与えられる斜交形式を有する R2n である。 ω = [ 0 I n − I n 0 ] {\displaystyle \omega ={\begin{bmatrix}0&I_{n}\\-I_{n}&0\end{bmatrix}}} ここで、In は n × n 次単位行列である。 したがって、標準基底 ( x 1 , … , x n , y 1 , … , y n ) {\displaystyle (x_{1},\ldots ,x_{n},y_{1},\ldots ,y_{n})} に対し、 ω ( x i , y j ) = − ω ( y j , x i ) = δ i j {\displaystyle \omega (x_{i},y_{j})=-\omega (y_{j},x_{i})=\delta _{ij}\,} ω ( x i , x j ) = ω ( y i , y j ) = 0 {\displaystyle \omega (x_{i},x_{j})=\omega (y_{i},y_{j})=0\,} . が成り立つ。 グラム・シュミットの正規直交化法を修正することにより、任意の有限次元斜交空間はこの様な基底を有することがわかる。これをダルブー基底という。 標準斜交形式を解釈するもう一つの方法がある。上記で使用したモデル空間 R2n は、誤解の元となる様な多くの標準的構造を有するので、その代わり、一般化したベクトル空間を使うこととする。V を n 次元の実ベクトル空間、V* をその双対ベクトル空間とする。ここで、以下の形式を持つこれら空間の直和 W := V ⊕ V∗ を考える。 ω ( x ⊕ η , y ⊕ ξ ) = ξ ( x ) − η ( y ) {\displaystyle \omega (x\oplus \eta ,y\oplus \xi )=\xi (x)-\eta (y)} そして、V の任意の基底 ( v 1 , … , v n ) {\displaystyle (v_{1},\ldots ,v_{n})} を取り、その双対基底 ( v 1 ∗ , … , v n ∗ ) {\displaystyle (v_{1}^{*},\ldots ,v_{n}^{*})} . を考える。xi = (vi, 0)および yi = (0, vi*) と書くと、これら基底ベクトルが W 内にあると解することができる。これらを一まとめにして考えると、W の完全な基底 ( x 1 , … , x n , y 1 , … , y n ) {\displaystyle (x_{1},\ldots ,x_{n},y_{1},\ldots ,y_{n})} が得られる。 ここで定義した形式 ω は、本節冒頭の形式と同一の特徴を有することを示すことができる。
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