柏木素龍
柏木素龍
かしわぎそ りょう
阿波徳島の人。通称は、儀左衛門。第五代将軍徳川綱吉の側用人柳沢吉保に仕えた。能書家で、芭蕉の『奥の細道』 の曾良本と言われる最終稿(利牛書写と伝えられる)を基にして①後に柿衛本と呼ばれる清書本と②西村本 と呼ばれる芭蕉が伊賀上野の兄松尾半左衛門に土産として持参し、死後去来親族を経由して現在福井県西村家に所蔵されている(また、去来によって井筒屋庄兵衛から出版される底本ともなった)清書本 の二本を清書したことで有名。また『炭俵』の浄書もしている。元禄5年江戸に下向。
素龍の代表作
障子ごし月のなびかす柳かな(『炭俵』)
中下もそれ相應の花見かな(『炭俵』)
青雲や舟ながしやる子規(『炭俵』)
帷子のしたぬぎ懸る袷かな(『炭俵』)
さみだれやとなりへ懸る丸木橋(『炭俵』)
明月や不二みゆかとするが町(『炭俵』)
鹿のふむ跡や硯の躬恒形(『炭俵』)
江の舟や曲突にとまる雪の鷺(『炭俵』)
爪取て心やさしや年ごもり(『炭俵』)
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