板挟みのソクラテス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/05 00:22 UTC 版)
「ヒッピアス (大)」の記事における「板挟みのソクラテス」の解説
30. ソクラテスは、自分はどうやら不幸な運命に取り憑かれているようであり、行き詰まりに陥るのはいつものこと、それをあなたがたソフィストに披瀝すれば散々に踏みにじられ、それでも、そんな馬鹿馬鹿しくてちっぽけで何の値打ちも無いことに、専らかかずらっていると述べる。更に、あなたがたに説得され、弁論を駆使して事を成すことが優れたことだと言おうものなら、この地の人々、特に、自分と同じ家に住んでいるかの男が、「「美」が何であるか知りもしないと明白に証明されながら、美しいもろもろの営みなどについておこがましくも話そうとするのを、恥ずかしく思わないのか」「肝心の「美」を知らないのに、人が言論なり何らかの行為なりを美しく営んでいるか否かをどうして知るのか、そんな体たらくでも死ぬより生きている方がマシだと思うのか」と尋ねてくると述べる。ソクラテスは、こうして自分は、一方ではあなたがたから責められ、他方ではかの男から仕打ちを受けると嘆く。そして、しかしこうしたことの一切を耐え忍ぶのは必要であり、両者のどちらと交わっても為になったと言う。というのも、おかげで「美しいこと(立派なこと)は難しい」(χαλεπὰ τὰ καλά) という諺の文句の意味が、分かるような気がするからと。
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