杼製作

文化財選集

杼製作

名称
杼製作
＜ひせいさく＞

区分
選定保存技術

保持者
長谷川淳一
＜はせがわ　じゅんいち＞
（京都府）

解説
杼は，機織りの際に不可欠な道具である。織物は経糸と緯糸の組み合わせによって構成されるが，機にかかる経糸を開口させた時，経糸の問に緯糸を通す道具として杼が用いられる。杼には織物の種類により多様な型式があり，縫い取り杼，すくい杼，投げ杼，弾き杼(トビヒ，バッタンビ)，綴織の地用の杼，細幅用の杼の６種に大別されるが，さらに一定の規格品のほか注文による特殊な杼があり，その種類は多い。
杼の主な材料は１０年以上乾燥させた九州(特に宮崎県)産の赤樫で，このほか，滑らかに転がるように杼の両側にはめ込む杼駒（薩摩黄楊製），糸を通す糸口(磁器製)，緯糸を巻く木管，杼の両端を保護する杼金(砲金製)，バネを組み込んだ竹弦(孟宗竹製)などの部品がある。