札差の収入
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/30 09:19 UTC 版)
札差は、御家人が幕府から渡される米を受け取り運搬する仕事が本業であった。札差が旗本・御家人の代りに俸禄米を受取る手数料を札差料といい、蔵米100俵につき金1分であった。またこれを米問屋に売却する手数料を、売側(うりかわ)といって、同じく100俵で金2分と定められていた。札差の本業たる手数料の儲けは、蔵米100俵の受領と売却につき合計金3分となる。ただし、米の運搬等にかかる費用は札差の負担であった。 しかし、そのうち蔵米の受け取りを代行するだけではなく、旗本や御家人に蔵米を抵当にして金を用立てるという金融業務が、札差の重要な役割となっていった。金に困った武士は、自分の蔵宿である札差に、次回支給される蔵米の受領・売却を依頼すると確約し、借金をする。札差は蔵米の支給日に、売却した現金から手数料と右の借金の元利を差引き、その残りを武家の屋敷に届けるのである。札差はこうした札旦那を何人も持つことによって、米問屋としての性格のほかに、金融業者としても次第に力を持つようになっていった。
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