札差の起こり
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/30 09:19 UTC 版)
旗本・御家人たち蔵米取は、御蔵役所から米の支給の呼出しがあるまで、浅草御蔵の前で茶や団子を売っていた水茶屋や、いつも米を売り払っている米問屋の店先などで休んでいた。蔵米の受け取りや換金といった作業の代理をこれらの店が行うようになったのが札差の起源である。 元来、蔵米取は、俸禄米支給日に自ら浅草のお蔵に出頭し、蔵米を受取り、米問屋に売却したものであるが、それらの面倒な手続きを札差が代行してくれたのである。そのため、札差から借金をする必要がない者も蔵米の受取りと売却だけを依頼することが多かった。 彼らは蔵米支給日が近づくと、得意先の旗本・御家人の屋敷をまわって、それぞれ手形を預かっておき、御蔵から米が渡されると、食用の米を除いて残りの米を当日の米相場で現金化し、手数料を差引いて、現金と米を各屋敷に届けてやるのである。この場合、客である蔵米取の武士たちを札旦那と呼び、旗本・御家人は札差のことを「米蔵にある家」という意味で蔵宿と呼んでいた。
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