書斎の収納
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 01:43 UTC 版)
一方、個人の家や書斎にて本を収納する場合は、使用頻度の低い本や高価な本はチェストへ、高いものは机上などにむき出しにするか、壁に腕木などで作成した簡易の棚へ置かれることが多かった。17世紀以前に私的蔵書が数十冊を越えることはまれであり、一般的にはチェストや小棚への平置きで事が足りていたと考えられている。ドイツ、オランダ、スペイン、イギリスなどでは図書館などでの慣習にならい、前小口を外に向けて並べることが一般的で、蔵書が増えるに従って本の識別のために題名や分類を表す記号や図絵などが装飾されることがあった。対してフランスやイタリアでは16世紀末ごろより本の背を外に向けて本棚に収納し、背部分に著者名や題名などを書き加えて識別する行動が見られるようになった。この頃には、本の配列にもこだわりを見せる蔵書家が現れるようになる。17世紀のイギリスで最大級の蔵書を所有していた作家サミュエル・ピープスは、本のサイズによって収納する位置を整理するよう本を並べた。
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