曲の配列について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/19 08:47 UTC 版)
「インヴェンションとシンフォニア」の記事における「曲の配列について」の解説
曲集に採用されている15調は、4つ以内の調号で表記される18調から嬰ヘ短調(♯3)、嬰ハ短調(♯4)、変イ長調(♭4)の3調を除外したものである。当時は多くの調号を持つ調は頻繁に使われるものではなかったため、割愛したものと考えられる。ただし、バッハは同時期に全ての調を網羅した「平均律クラヴィーア曲集 第1巻」も編纂している。 バッハは、初稿を「インヴェンションとシンフォニア」として編纂改訂した際、曲の配列を大幅に変更した。初稿と最終稿の番号は以下の通り: 初稿調性最終稿第1番 ハ長調 第1番 第2番 ニ短調 第4番 第3番 ホ短調 第7番 第4番 ヘ長調 第8番 第5番 ト長調 第10番 第6番 イ短調 第13番 第7番 ロ短調 第15番 第8番 変ロ長調 第14番 第9番 イ長調 第12番 第10番 ト短調 第11番 第11番 ヘ短調 第9番 第12番 ホ長調 第6番 第13番 変ホ長調 第5番 第14番 ニ長調 第3番 第15番 ハ短調 第2番 この初期配列は、バッハが当初想定していた難易度の相対関係を反映していると考えられている。しかし、バッハは編纂改訂にあたり、この難易度上の配慮を破棄し、「平均律クラヴィーア曲集」と同じく半音階上行の配列にした。その結果、相対的に高難度の楽曲が容赦なく前半に再配置されることとなった。そのため、園田高弘など、初期配列を参考にした、独自の順序による学習を推奨している音楽家もいる。
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