明確な領域
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/02/24 06:59 UTC 版)
国家の資格要件の2つ目の要素である「明確な領域」とは、国家のもっとも本質的な要素である。領域とは領土、領海、領空からなり、国家はこれらに対して排他的な領域主権を行使する。ただしこの要件は、住民が組織する政治的団体が実効的・継続的に支配している一定の地域があれば十分であり、領域のすべてが定住可能であるとか、国境が厳密に確定していることは必要とされていない。例えば北海大陸棚事件国際司法裁判所判決においては、「1つのまとまりとみなされる、一定の区域に付属することが、その区域の境界の明確な画定を支配することになるということは決してないのであって、それは、国境について不明確であることが領域権に影響を与えることがありえないのと同じである。」という判断が示されている。このことから領土問題により各国の主張が錯綜している場合であっても大枠で国境線の画定をすることができていれば十分であり、一定領域のいち部分を一貫して支配し続けることが必要とされる。
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