旋衡風のメカニズム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/04 04:21 UTC 版)
分かりやすい例えとして、気圧傾度力を重力に置き換え、ルーレットで回転する球の動きを考えてみる。緩い角度で深くなる円錐形をしたルーレット上では、円形に球が回転している。この球には、時計回りなら進行方向に直角な左側、反時計回りなら進行方向に直角な右側に、遠心力が働く。一方、この球には常に円錐の中心部に向かう重力が掛かっている。摩擦力を無視して、この2力が釣り合うと、ルーレット上の球は真円を描いて延々と回転し続ける。この重力を気圧傾度力に置き換えると、理論上の旋衡風と同じになる。 遠心力Fc、気圧傾度力Fpgとすると、旋衡風は以下のように釣り合う。 F c = F p g {\displaystyle F_{c}=F_{pg}\,} 気圧傾度力 1 ρ ∂ p ∂ r {\displaystyle {\frac {1}{\rho }}{\frac {\partial p}{\partial r}}} とコリオリ力 f v {\displaystyle fv\,} ・遠心力 v 2 r {\displaystyle {\frac {v^{2}}{r}}} の合力が釣り合う傾度風の式から導出すると、以下のようになる。 0 = 1 ρ ∂ p ∂ r + f v + v 2 r {\displaystyle 0={\frac {1}{\rho }}{\frac {\partial p}{\partial r}}+fv+{\frac {v^{2}}{r}}} 上式において遠心力がコリオリの力よりも十分に大きい、つまり f v ≫ v 2 r {\displaystyle fv\gg {\frac {v^{2}}{r}}} が成り立つ場合、 0 = 1 ρ ∂ p ∂ r + v 2 r {\displaystyle 0={\frac {1}{\rho }}{\frac {\partial p}{\partial r}}+{\frac {v^{2}}{r}}} が近似的に成り立つ。
※この「旋衡風のメカニズム」の解説は、「旋衡風」の解説の一部です。
「旋衡風のメカニズム」を含む「旋衡風」の記事については、「旋衡風」の概要を参照ください。
- 旋衡風のメカニズムのページへのリンク