新注の特徴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/13 04:48 UTC 版)
国学の影響のもとにあり、『源氏物語のおこり』のような『源氏物語』を仏教思想や儒教思想に基づいて理解し、時には勧善懲悪のための教化に利用しようとするようなそれまで有力であった立場を批判している。 『源氏物語』の成立事情について、当時の史書(『大鏡』など)、歴史物語(『栄花物語』など)、日記(『紫式部日記』など)の史料に基づいて実証的に明らかにしようとしていること。 『源氏物語』の本文そのものが刊本として出版され広く読まれている時代にあって、注釈書もその多くが出版され広く読まれるようになっていたこと。またそのように刊本が広まったことを受けて、この時代の注釈書のいくつかは『湖月抄』などの刊本に自説を書き込むことによって成立している。 本格的な『源氏物語』の研究書・注釈書だけでなく『十帖源氏』、『おさな源氏』といった女性向け、子供向けと考えられる入門書的な書籍も数多く出版されている。わかりやすく、読みやすくするための挿絵付き書籍も多く作られた(但し挿絵に描かれている内容自体は平安時代には貴人が座っている場所にのみ敷かれていた畳が建物の床すべてに敷かれているなどしばしば江戸時代の習俗に基づいて描かれているために不正確な描写も多い)。
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