新しい歴史教科書をつくる会事務所放火事件とは? わかりやすく解説

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新しい歴史教科書をつくる会事務所放火事件

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/11/30 04:10 UTC 版)

新しい歴史教科書をつくる会事務所放火事件(あたらしいれきしきょうかしょをつくるかいじむしょほうかじけん)とは、2001年平成13年)8月7日東京都文京区で発生した放火テロ事件日本の新左翼革労協反主流派(赤砦派)が起こした事件である。

事件の概要

2001年8月7日、東京都文京区本郷2丁目にある3階建てビルの1階部分で爆発音がし、火の手が上がった[1]。当時、このビルの1階には新しい歴史教科書をつくる会の事務所があったが、すぐに消し止められ、窓を損傷する程度で済んだ[1]。周辺は雑居ビルや住宅などが立ち並ぶ地域であり、大惨事になる可能性もあった[1]。その後の警察の調べで、時限式発火装置や可燃性の液体が入ったポリタンクが発見されたことから、警視庁公安部は、同会を標的とした新左翼によるテロ事件と断定、本富士警察署に捜査本部を設置した[2]

この事件を受けて新しい歴史教科書をつくる会は同日の記者会見で「東京都教委が扶桑社の教科書採択を決定した当日の事件であり、採択妨害を意図したものであることは明らか」など述べ、暴力に屈することなく教科書是正を進めていくという声明を発表した[3]

2001年8月10日、「革命軍」と名乗る者から各報道機関に犯行声明文が郵送された[4][5]。声明文には「都立養護学校への『歴史』『公民』教科書の差別主義的強行採択に対する、革命的報復である」と記載されていた[4]。公安部はこの文面から革労協反主流派の犯行と断定した[5]

この声明文を受けて公安部は同年8月13日、台東区入谷にある革労協反主流派の活動拠点や個人宅など神奈川県内も含めて7ヶ所を現住建造物等放火容疑で一斉捜索、機関誌やフロッピーディスクなど65点を押収した[6][7]。また、8月30日には駒澤大学構内にある活動拠点など7ヶ所を現住建造物等放火未遂容疑で家宅捜査した[8]

脚注

  1. ^ a b c 読売新聞』2001年8月8日 全国版 東京朝刊 一面1頁「東京本郷のビルで爆発? 「歴史教科書をつくる会」事務所入居、窓枠など焦がす」(読売新聞東京本社
  2. ^ 『読売新聞』2001年8月8日 全国版 東京夕刊 夕社会19頁「「つくる会」ビル放火 過激派の犯行断定/警視庁」(読売新聞東京本社)
  3. ^ 朝日新聞』2001年8月9日 朝刊 2社会30頁「採択妨害意図、暴力に屈せず」放火事件で「つくる会」が声明」(朝日新聞東京本社
  4. ^ a b 『朝日新聞』2001年8月10日 夕刊 1社会19頁「報道機関に犯行声明文 「歴史教科書つくる会」へのゲリラ事件」(朝日新聞東京本社)
  5. ^ a b 『読売新聞』2001年8月10日 全国版 東京夕刊 夕社会23頁「「つくる会」放火事件で犯行声明/警視庁=訂正あり」(読売新聞東京本社)
  6. ^ 『読売新聞』2001年8月13日 全国版 東京夕刊 夕2社18頁「「つくる会」放火事件 過激派拠点を捜索/警視庁公安部」(読売新聞東京本社)
  7. ^ 『朝日新聞』2001年8月13日 夕刊 2社会14頁「革労協の拠点を警視庁が捜索 「つくる会」放火容疑」(朝日新聞東京本社)
  8. ^ 『朝日新聞』2001年8月30日 夕刊 2社会18頁「駒沢大構内の革労協を捜索 つくる会事務所放火」(朝日新聞東京本社)

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