文芸作品に描かれた遊就館
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/27 09:50 UTC 版)
夏目漱石『倫敦塔』1905年 並び聳ゆる櫓には丸きもの角張りたるものいろゝの形状はあるが、いづれも陰気な灰色をして前世紀の紀念を永劫に伝へんと誓へるごとく見へる。九段の遊就館を石で造って二三十並べてさうしてそれを虫眼鏡で覗ゐたらあるゐはこの「塔」に似たものは出来上りはしまいかと考えた。 芥川龍之介『侏儒の言葉』1923年 わたしは歴史を翻へす度に、遊就館を想ふことを禁じ得ない。過去の廊下には薄暗い中にさまゞの正義が陳列してある。(中略)わたしはさう云う武器を見ながら、幾多の戦いを想像し、おのづから心悸の高まることがある、しかしまだ幸か不幸か、わたし自身その武器の一つを執りたいと思つた記憶はない。 内田百閒『遊就館』1934年 遊就館をテーマにした短編小説。ただし、内容は夢物語的であり、現実の遊就館を描いているわけではない。
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