文脈内特定
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/06 09:16 UTC 版)
名詞の指示対象が文脈から特定できる場合を文脈内特定と言う。 そのうち、既出の指示対象(またはその部分や関連物)とともに用いられる場合を前方照応と言う。例えば、I saw a dog. The dog had a piece of meat in his mouth. では、まず「犬を見た(犬がいた)」と言う時の「犬」は不特定の1匹なので不定冠詞「a」を伴うが、それに続く「その犬は肉をくわえていた」の「犬」は既出であるため、定冠詞「the」を伴う。これは前方照応の中でも、同じ名詞が繰り返されていることから、直接照応と呼ばれる。また、There was a large tree there.(「そこに大きな木があった」)と先に述べられていれば、その「木」の部分である「葉」に言及する際には定冠詞を使用して The leaves were also large.(「葉も大きかった」)と言う。これも前方照応の一種だが、既出の名詞をそのまま繰り返しているのではないため、間接照応と呼ばれる。間接照応には、名詞ではなく動詞で指示対象が示唆される場合もある。例えば、She dressed her baby. The clothes were made of wool. では、第1文の「dressed」という動詞が「clothes」の存在を示唆しているため、間接照応であり、定冠詞が用いられる。 名詞が関係詞節などの限定語句を伴う場合、定冠詞がよく用いられる。例えば、the book you gave me(あなたからいただいた本)など。また、序数詞を伴う場合(for the first time など)にも定冠詞が用いられることが多い。これらのケースでは「the」の使用がその後に来る要素の影響を受けているため、後方照応と呼ばれる。
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