整った化石標本
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/03 07:44 UTC 版)
Maybach specimen 数多くの外骨格がお互いに連結し、生時の配置に近い状態で(部分的からほぼ全身まで)整ったアースロプレウラの化石標本は僅かしかない。その中ではドイツで見つかり、Guthörl 1935 に記載された「Maybach specimen」が特に有名で、いくつかの文献記載の復元図で基準とされていた。この標本は前部・後部を欠いているにもかかわらず、長さ80cm(体の前後軸に沿って測ると90cm)・横幅22cmほどと巨大で、23節の背板が保存され、局部的ながら脚などの腹面構造も見られる。 イングランドで見つかり、Calman 1914 に新種 Arthropleura moseyi として記載されたものの、後に Arthropleura armata のシノニムであると見直された6.5cmの幼生化石は、本属においてほぼ全身が保存された標本として最初期に記載されたものである。前部と後部(頸板と尾節)の保存状態が良くないものの、知られている中では前部・後部まで揃った標本として唯一のものであり、本属は少なくとも28節の三葉状背板をもつことを示した。 それ以外にも、フランスの Montceau-les-Mines Lagerstätte で見つかり、Briggs & Almond 1994 に記載された MHNA 002122 がよく知られている。3.7cmで幼生もしくは小型の新種と思われ、腹面構造と後部を欠いているが、胴部約20節の背板がほぼ真っ直ぐに整っており、前方の頸板も明瞭に保存されている。ドイツの Gzhelian–Asselian Döhlen 累層で見つかり、Schneider & Barthel 1997 に記載された化石標本(p. 195, plates 5–7)は、本属の腹面構造を最も良好に保存したものの1つであり、脚と周辺の腹面構造の配列がよく保存されていた。
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