教育コードの支配性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/03 07:31 UTC 版)
「バジル・バーンステイン」の記事における「教育コードの支配性」の解説
バーンステインの実証例では、子どもたちに、いまが昼食時であると仮定して、24枚の食べ物の絵を好きに分類させたところ、労働者階級出身の子どもたちは、「朝食べたもの、母ちゃんが作ったもの、好きじゃないもの」といった具合に属人的な文脈(仲間内の論理)で認知ルールを働かせて選別したのに対して、中産階級出身の子どもたちは、「海のもの、山のもの」といった具合に物質を抽象化させて選別した。 さらに、子どもたちに、もう一度同じことをやらせたところ、労働者階級出身者は同じ分類を繰り返し、中産階級出身者は労働者階級出身者の分類に合わせたという。ここから、バーンステインは、中産階級出身者の間では、二つのコードがヒエラルキー的に位置づけられており、つまり、身の回りの生活よりも、公式的な教育学(ペタゴジー)的実践/意味が支配的となっていることを指摘している。 バーンステインの以上の論述は、非常に単純化されたものであるとして批判されることにもなったが、バーンステインの本来の意図は上に見たとおりであって、通俗的な階級還元論ではなく、労働者階級出身/中産階級出身の区分は単に傾向性を示すものであるに過ぎない。
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