政策科学の分化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 06:20 UTC 版)
シンクタンク(think tank)は「考える戦車」という意味で、第2次世界大戦中に使われるようになった言葉だとされている。今日的な政策研究機関としてのシンクタンクの草分けは、1916年に設立されたアメリカの政府調査研究所を前身とする1927年設立のブルッキングス研究所に求めることができる。ブルッキングス研究所は第2次世界大戦後のヨーロッパ復興計画である「マーシャル・プラン」の策定に深く関与しているとされている。ブルッキングス研究所がリベラルな政策機関だったのに対し、保守主義が対抗して育成したシンクタンクがアメリカン・エンタープライズ公共政策研究所である。同所は1943年にビジネス研究を目的として設立され、1960年に現在の名称に変更された。シンクタンクは、具体的な政策形成において民間の意見を反映させることを目的としている。ここに、より実際的な政治活動としての政策形成を対象とする政策科学が成立した。アメリカではすでに広汎なシンクタンクの存在、政策科学を扱う大学のシンクタンク化が進み、政策を産業とする構造ができあがっている。日本では2004年以降、国立大学に次々と公共政策大学院が設立されているが、政策科学が定着するにはなおしばらく時間がかかると見られている。
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